緑ナンバーと白ナンバーの違い
緑ナンバーと白ナンバーの代表的な違いは、運搬物の取り扱いにあります。緑ナンバーは事業用として有償でお客様の荷物を運ぶことができます。しかし、白ナンバーの場合は自社の荷物を運ぶことはできても、貨物運送事業や旅客運送事業にクルマを利用することはできません。
有償で旅客や貨物を運送する場合は、緑ナンバーを申請しなければいけないという決まりがあります。タクシーの場合は、別途免許も取得しなければいけません。
「白タク」という言葉を聞いたことはないでしょうか。一般的なタクシーと白タクと呼ばれるタクシーが存在するのは、ナンバープレートの色の違いにあります。白タクは白ナンバーの状態で旅客を行っているタクシーを指し、道路運送法に基づいて罰則の対象となります。
また、2022年には軽自動車も貨物用として使用可能になりました。軽自動車における緑ナンバーにあたるものが「黒ナンバー」です。対象車両によってもナンバーの色に違いがあります。
色が違うとこんなところにも違いが
緑ナンバーと白ナンバーには異なる点が数多くあります。ここでは、緑ナンバーと白ナンバーの相違点について詳しく解説します。
運べる荷物の種類
白ナンバーは自社製品を納品したり、自社の取り扱い物を運搬したりする際には使用できます。しかし、あくまでも運搬できるのは自社が管理している取り扱い物に限定されます。
一方で、緑ナンバーは他社から依頼を受けて取り扱い物を輸送したり、人を乗せて送迎したりすることが可能です。もちろん、業務としてそれらを行うことが可能なため、報酬を受け取ることもできます。
点検・車検
緑ナンバーと白ナンバーでは、定期点検の整備期間が異なります。緑ナンバーは3ヵ月に1回の整備管理が必要ですが、白ナンバーは車検上の車両総重量によって点検整備の期間が変わります。定期点検整備の期間は、下記のように定められています。
点検整備期間 |
車種 |
3ヶ月 |
・自動車運送事業用自動車(貨物軽自動車運送事業を除く)
・車両総重量が8トン以上の自家用貨物自動車(いわゆる大型トラック)及び特種用途車
・乗車定員11人以上の自家用自動車(いわゆるバス)
・レンタカーの貨物自動車(軽自動車を除く)
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6ヶ月 |
・レンタカーの乗用自動車及び軽自動車
・車両総重量が8トン未満の自家用貨物自動車及び特種用途車(軽自動車を除く)
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1年 |
・自家用乗用自動車(荷台や特種な設備を持たないセダン型、ワンボックス型等のいわゆるマイカー)
・軽貨物自動車
・軽特種自動車
・二輪車(総排気量125cc超)
|
引用:国土交通省 点検整備と車種の関係
緑ナンバーは「自動車運送事業用自動車(貨物軽自動車運送事業を除く)」に該当するため、3ヶ月に1回は点検を行わなければいけません。一方で、事業で使用しない白ナンバーの点検期間は1年と長めです。
また、緑ナンバーと白ナンバーでは、車検期間も以下のように異なります。
|
車検期間:初回 |
車検期間:2回目以降 |
旅客用緑ナンバー |
1年 |
1年 |
貨物用で総重量8トン以上の緑ナンバー |
1年 |
1年 |
貨物用で総重量8トン未満の緑ナンバー |
2年 |
1年 |
自家用乗用普通・小型車(白ナンバー) |
3年 |
2年 |
引用:三重運輸支局 車検の運用期間
自家用車の白ナンバー車の場合は、2年(初回は3年)ごとに車検を行わなければいけません。しかし、緑ナンバー車は基本的に1年に1回点検を受ける必要があります。貨物用で総重量8トン未満の緑ナンバーのみ、初回の車検期間が2年になっています。
自動車税
緑ナンバーと白ナンバーでは、自動車税の税額が異なります。緑ナンバーの方が、税額は低く設定されています。また、総排気量や最大積載量等によって税額は異なります。
総排気量 |
緑ナンバー |
白ナンバー |
1リットル以下 |
7,500円 |
25,000円 |
1リットル超~1.5リットル以下 |
8,500円 |
30,500円 |
1.5リットル超~2リットル以下 |
9,500円 |
36,000円 |
2リットル超~2.5リットル以下 |
13,800円 |
43,500円 |
2.5リットル超~3リットル以下 |
15,700円 |
50,000円 |
3リットル超~3.5リットル以下 |
17,900円 |
57,000円 |
3.5リットル超~4リットル以下 |
20,500円 |
65,500円 |
4リットル超~4.5リットル以下 |
23,600円 |
75,500円 |
4.5リットル超~6リットル以下 |
27,200円 |
87,000円 |
6リットル超 |
40,700円 |
110,000円 |
保険
白ナンバーと緑ナンバーでは加入できる保険に違いがあります。緑ナンバーのクルマは、高頻度で使用されることや、業務リスクを含めて補償範囲となること等から、保険料が高くなる傾向にあります。加入できる保険会社も白ナンバーと比べると少なく、インターネットから加入できる保険において、緑ナンバーを取り扱っているケースはほとんどありません。
アルコールチェック
2022年4月1日の道路交通法施行規則の改正により、白ナンバーと緑ナンバーの車両にアルコールチェックが義務付けられました。
白ナンバーは、乗車定員11人以上の車両を1台以上、またはその他の車両を5台以上保有する事業所が対象で、運転者の酒気帯びの有無を確認・記録し、1年間保存する必要があります。2022年10月1日以降はアルコール検知器を使用したチェックも義務化されています。
一方、緑ナンバーは一般貨物自動車運送事業や旅客運送事業のすべての事業者が対象で、運行前後にアルコール検知器を用いた確認が必須となっています。
さらに、緑ナンバー事業者は国土交通省の監査対象となり、違反時には業務停止命令や罰則が科される可能性があります。
緑ナンバーは、白ナンバーに比べ規制は厳しく、事業用車両としての安全確保が重視されているといえるでしょう。
緑ナンバーの取得条件と方法
緑ナンバーの取得条件は従業員、事業所、休憩室、駐車場、車両、資金面など要件を満たした場合にのみ取得が可能です。具体的な要件については、下記を確認してください。
出典:一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の許可申請事案の処理方針について
要件を満たしている場合は、営業所を設ける都県にある運輸支局に申請書を提出します。その後、奇数月に法令試験が実施されるため、受験して合格すれば書類審査となります。法令試験は30問中8割正解すれば合格となります。
許可までにかかる期間はおおよそ3〜5ヵ月程度です。法令試験の合否次第ではさらに長くなるため、緑ナンバーの取得を考えている方は早めに行動しておきましょう。
まとめ:事業用途・目的によりナンバープレートの色は異なる
緑ナンバーと白ナンバーには、用途や運行条件に明確な違いがあります。緑ナンバーは有償での運送が可能で、税制優遇や信用を得られる一方、取得や運営に伴うコストや監査の厳しさがあるのも事実です。一方、白ナンバーは自家利用に限られますが、運行管理やコストの面で負担が軽減されます。
緑ナンバーは、取得の手間や運用ルールが事業運営全体に影響するため、事業計画と法令要件を十分に検討した上で、慎重に検討する必要があるでしょう。
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この記事は、2024年11月時点での情報をもとに作成しています。